そもそもフリーランス美容師とは??

フリーランス美容師とは、美容院を営んでいる会社から独立して

「個人事業主」という、法人を設立しないで事業を行なっている人のことを指します。

言ってみれば自営業の方も個人事業主、つまり「株式会社(私)」みたいな考え方がわかりやすいかなと思います。

つまり法人化(会社になっていないこと)していない個人店の美容院のオーナーさんも個人事業主、ということになりますね。

そんな個人事業主になったフリーランス美容師さんにも、「納税」の義務があります。

今まで会社勤めだった美容師さんは、給料から天引きにされていた方も多いはず、これからフリーランス美容師を始めてから、

急に家に税金の請求がきてどうしよう!

とならないようにここでどんな納税をしないといけないか勉強しておきましょう。

個人事業主(フリーランス美容師)が支払う税金


「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」

こちら4つになります、

ただ、消費税と個人事業税は条件に当てはまる人は納税しますし、不要な場合もあります、詳しく解説していきます。

所得税


毎年1月1日から12月31日までの1年間に得た所得に対して課せられる税金

所得税は所得が多くなれば多いだけ払う税金が多くなる累進課税になっており、

個人事業主にとって最も大きな負担になる税金です。

前年1年分の所得について、翌年2月16日〜3月15日までに確定申告を行なって納付します。

そもそも所得ってどれのこと??

→ 収入から必要経費を引いて残った額が所得です。

つまり、フリーランス美容師の場合

給与 −   経費(交通費とかシザーとかダックカール、コームも)→ 所得

そう、つまり美容師として、サロンワークするために必要な材料や道具は経費になります。

経費の大きさによっては、所得が少なくなるので、

所得によって計算される所得税を少し控えめにすることもできるということですね。

住民税


確定申告後に、自分たちの住んでいる市町村から届く納付書に従って住民税を支払います。

これは会社員だった時は給与天引きだった方も多いのではないでしょうか?

6月、8月、10月、1月の年4回払いか、6月の1回払いかの選択ができます。

個人事業税


個人事業税は事業内容に応じて課される税金。年間を通じて営業している個人事業主の場合、5%の税率が課せられます。

ただし事業所得が290万円までであれば納税の必要はありません。

なお、個人事業税は経費として処理することができます。

納付は8月と11月の年2回で、都道府県が納付先になります。

消費税


消費税は基準期間である前々年の売上が、1000万円を超えた場合に課税させられます。基準期間は個人事業主の場合は2年前となります。

しかし、2023年10月からインボイス制度というものが実施されることになっており、

1000万円未満の方も消費税を納める必要になる可能性もでてくるため、インボイス制度についても一緒に解説させていただきます。

美容師にとってのインボイス制度について

ここ最近話題になっているインボイス制度、フリーランス美容師に大きく関係してきます!

あまり詳しくない方、もしくは今からフリーランスの美容師になろうとしている方には是非仕組みを知っておくべき内容になりますので、ここでご紹介させていただきます。

インボイス制度とは?

2023年10月1日から複数税率となった消費税の仕入税額控除の金額を正しく計算する方法として導入される予定になっているのがこのインボイス制度。

インボイスは別名「適格請求書等保存方式」とも言い、適格請求書とは、売り手が買い手に対して正確な適用税率や、消費税額等を伝えるものです。

買い手側は、この適格請求書を保存することで、その消費税分を仕入れ税額控除として扱えます、ただしその適格請求書は適格請求書発行事業者でなければ発行できません。

この適格請求書事業者になるには税務署に登録申請書を提出して登録を受ける必要があります。

???

難しいことわからない!!

という美容師さんにもうちょっとわかりやすく説明します。

まず、年収1000万円以上の方には消費税がかかってきますが、

現在は1000万円以下の方には消費税がかからない、つまり消費税が免税されている、免税事業者さんになります。

このインボイス制度は、年収1000万円以下の免税事業者さんが主に対象になってきます。

解説です、

「適格請求書等保存方式」とも言い、適格請求書とは、売り手が買い手に対して正確な適用税率や、消費税額等を伝えるものです。

重要なのは売り手と買い手のところです!

売り手:フリーランス美容師さん

買い手:フリーランスサロンオーナーさん

つまりフリーランスの美容師さんが、そこのサロンのオーナーさんに適格請求書を発行して提出しないといけない、というとわかりやすいかなと思います。

でも、適格請求書を発行するには、まず適格請求書事業者になるために、税務署に登録申請書を提出して登録を受ける必要があります。

つまり

この税務署で登録をうけるということは、

免税事業者 → 課税事業者 

になるということになります。

年収1000万円以下の方にも簡易課税方式に基づいて約5%ほどの課税をしないといけなくなります。

そんな登録申請もしたくないし、消費税を課税したくない!と思っている方、

その場合、働いているサロンが、人件費の仕入税額控除ができなくなり、多くの税を納めることになります。

ここでわかりやすい図で説明してみます。

年間の収入が500万円もらっているフリーランス美容師さんを例に挙げてみます。

インボイス適用後に課税事業者になる場合と免税事業者のままで入れる場合、

美容師さんを雇う美容院の立場も一緒に見ていただけるとわかりやすいかと思います。

インボイス制度説明

 当然、働くサロンによっては、フリーランス美容師さんに適格請求書を発行してもらえない場合、サロンが仕入税額控除が受けれなくなるため、歩合などの報酬も減らす、なんて措置もあり得るわけです

美容師さんが適格請求書を発行する場合、美容師さんが税を納めるため負担が増えるし、

美容師さんが適格請求書を発行しない場合、サロン側は控除できないぶん損をする

そう、結局誰かが税を支払うのです

今フリーランスで美容師を始めようとしている方、もしくはすでに個人事業主になって、フリーランスとして働いている方、

今から入るお店、今働いているお店が、インボイス制度に対してどの対応をするのか、しっかり確認しておく必要がありそうですね

最後に

フリーランスになって納める税金について少しはご理解できましたか?

納めないといけない税金、場合によっては納めなくていい税金、さまざまでしたね。

会社員だった時は会社が税金計算等して給与天引き等で収めてくれていましたが、個人事業主になったら当然自己管理になるわけです

ただ、フリーランスになるにしてもならないにしても、知識として覚えておいて損はないことだと私は思います。

kālaḥ 中島尚希